第一回:聖ヘンリーアンプトン卿の葬式

タイトル: 聖ヘンリーアンプトン卿の葬式

作曲家: ジョン・ダウランド

演奏: フランダースリコーダー四重奏団

録音:


1605年に出版された「悲しみもしくは、7つの涙」

という曲集に収められている。楽器としてはやはり

リュートが想定されているのだろうか。

ダウランドは1563年にイギリスで生まれた作曲家で

歌手でありリュート奏者であったと言われている。


彼の体運動習性といえば六種上下という感じが強い。

現代の情報過多・資本主義的傾向に疲れ切って増えつつ

ある6種的傾向が、この作曲家が現代に好まれる理由で

あるのかもしれない。

彼の出身地であるイギリスの気候風土も手伝ってか、

彼の作曲した曲はどことなく憂鬱な、厭世的な

感覚を思わせるものが多い。筆者もイギリスという

なかでも特に筆者の心を打つのが

この「Sir Henry Umpton's Funeral」、直訳すれば「聖ヘンリーアンプトン卿の葬式」である。

ジョン・ダウランドにとって聖ヘンリーアンプトン卿はある種のパトロンであり、

理解者であったことを考慮すれば、その悲しみの度合いも理解できよう。


フランダースリコーダー四重奏団の演奏では

オルガンによる通奏低音が曲全体に重さを与えており、

1小節目からその重々しい雰囲気に既に意識をその世界へ引きずり込まれる。

終止の度の全音符の後の静寂が非常に長く感じられ、この音楽が静寂を主眼においていることがわかる。


この曲は様々な演奏家に演奏されており、ホルディサバール による演奏もいぶし銀のような

渋い良さがある。スキップ センペのヴァージナルによる演奏も面白い。

しかし一番のおすすめは実はナイジェルロースのリュート編曲版であったりする。

NaxosからでているDowland's Tears Lute Music 2というアルバムに収録されている。

内声の嘆きを一本のリュートで上手く表現されている。リュート奏者であったダウンランドなら

このように演奏しただろうか。


20小節でソプラノが最高音のEs音に達し21小節

で長いDの音が奏でられつつ、内声のファソラシ、ファソラの

反復が、内声に紡ぎ出される不協和音もあって

嘆きを思わせ涙を誘う。そしてソプラノがなだらかに

降下していくさまが実に美しい。

このように簡素で魂に訴えかける音楽は現代の曲は稀である。

ダウランドは音楽とはなんたるかを理解していた。


演奏のフランダースリコーダー四重奏団は2018年12月3日に東京公演が決まったようだ。

機会がある人は是非生の演奏を聞いてみていただきたい。

(執筆:柳室たけし)